発達特性のある子どもの虫取り準備は「何をしたい?」から
「今日はテントウムシを探したい」「昨日と同じ木を見たい」。虫取りの準備は、子どもの楽しみに合わせて考えると選びやすくなります。名前を調べるのが好きなら図鑑、歩く様子をじっくり見たいなら透明な虫かご。本人が使ってみたい道具を、一緒に選べます。
出発前に決めたいのは、今日やってみること、遊ぶ順番、ひと息つける場所の三つです。発達特性の名前だけで遊び方を決めず、普段伝わりやすい方法や本人の好みを手がかりにします。前の虫取りで夢中になった場面があれば、そこから続けてみてください。
好きな虫や模様から、今日の遊びを選ぶ
「何でもいいよ」では選びにくそうなら、「テントウムシを探す? アリの列を見る?」と具体的な候補を二つ見せてみます。前に撮った写真を指して選んでもらう方法もあります。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 本人が気になっていること | 親子で試せる遊び | 親の関わり方 |
|---|---|---|
| 虫の名前を知りたい | 見つけた虫と図鑑の写真を見比べる | 似ている候補のページを一緒に開く |
| 色や模様を比べたい | 同じ名前の虫でも点や色に違いがあるか見る | 「どこが違う?」と本人が示す部分を見る |
| 歩く・跳ぶ動きが好き | 虫かご越しに動きを眺める | 質問を重ねず、気づきを話し始めたら聞く |
| 同じ場所へ行きたい | 前回と同じ木や草地を訪ねる | 「この前の虫は今日もいるかな」と一緒に探す |
図鑑は、小学館の図鑑NEO〔新版〕『昆虫』をおすすめします。出かける前に会いたい虫を選び、帰宅後に見つけた虫のページを開くと、一冊を行き帰りの楽しみにできます。文章を全部読む必要はありません。写真の脚や触角を指しながら、実物と似ているところを探してみましょう。
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家で写真と見比べ、虫の名前や特徴を探す一冊。小学館の図鑑NEO「昆虫」DVDつきです。持ち歩く道具とは分けて、家で広げて使う図鑑として紹介しています。
虫取りの予定は、その子に伝わる形で用意する
「公園に行く→虫を探す→ベンチで休む→帰る」のように、順番を短く伝えます。写真が分かりやすい子には公園やベンチの写真を、文字を読むのが好きな子には短いメモを見せるなど、普段使っている方法で十分です。
たとえば「今日は入口の花壇でテントウムシを探して、あのベンチでひと休み」と、実際の場所と結びつけて話します。時計が目安になるなら帰る時刻を伝え、順番の方が分かりやすいなら「休んだら最後にもう一度花壇へ」のように説明します。
雨になったときの楽しみも一つ用意しておくと、予定を伝え直しやすくなります。「今日は図鑑で探したい虫を選んで、晴れた日にこの公園へ行こう」など、次の虫取りにつながる内容がおすすめです。
音・草の感触・虫の動きに合わせて遊ぶ場所を変える
虫に興味があっても、セミの声や草が脚に触れる感じがつらいことはあります。「虫取りが嫌なのかな」と決めず、どの場面で楽しそうで、どこで困っているかを見てみましょう。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 気になる場面 | 試してみる工夫 | 続けられる楽しみ |
|---|---|---|
| 鳴き声や人の声が重なる | 音の少ない一角へ移る | 葉の上や幹にいる虫を探す |
| 草が脚に触れる | 草地の奥へ入らず、道沿いから見る | 花に来る虫やアリの行列を見る |
| 虫が急にこちらへ動く | ふたを閉めた虫かごを台に置く | 横や上から歩き方を比べる |
| 話しかけられると観察が途切れる | 親も少し黙って一緒に眺める | 本人が指した所から会話を始める |
つらそうなときは静かな場所へ移り、続けたいか休みたいかを確かめます。家では平気な音でも、その日の混み方や疲れで感じ方が変わることがあります。
虫かごは、スライド式の観察窓があるアイリスオーヤマ「虫とりこぞう SD-200」がおすすめです。開け閉めを試したい子には空の状態で触ってもらい、難しい部分は親が手伝えます。届いたら、ふたのはまり方を確かめるところから。
好きな虫を見て、調べて、残す道具
図鑑の写真を比べる、虫かご越しに動きを見る、気づいたことを書く。本人がやってみたい遊びから選びましょう。
おすすめの理由: 家で広げて、写真や解説をじっくり調べる一冊としておすすめ。持ち歩くポケット図鑑とは使い分けます。
選ぶときに見る所: 大判でDVDつき。置き場所と、DVDを再生できる機器があるかを見ておきましょう。
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おすすめの理由: スライド式の窓と肩掛けベルトがある虫かご。約22.5×12.3×15.3cm、約240gで、子どもが肩に掛けて持ち歩くのにおすすめです。
選ぶときに見る所: 出かける前に、空の状態で窓とふたの開け閉めを子どもと試しておきましょう。
おすすめの理由: 立ったまま書きやすい硬めの表紙と、持ち歩きやすい細身サイズで観察記録に向きます。
選ぶときに見る所: 防水ではないので、雨の日は防水袋に入れます。鉛筆も一緒に用意しましょう。
¥286(楽天・掲載時の価格)
好きな発見を残す、おすすめの研究アイテム
図鑑と虫かごに加えるなら、本人専用の小さなノートも楽しみになります。「何匹見たか」「赤かったか黒かったか」など、残すのはその日気になったことだけで十分です。
持ち歩き用にはコクヨの測量野帳〈スケッチブック〉セ-Y3があります。小さな方眼に点を打って虫の数を数えたり、親が子どもの言葉を一行書き留めたりする使い方に向いています。紙面は小さいので、虫を大きく描きたい子には窮屈に感じるかもしれません。描くことが好きか、短く書くことが好きかで選んでください。
おすすめ商品 · 観察ノート
持ち歩く自分用の観察ノートに。小さな方眼へ、見つけた虫の絵や時刻を書き込めます。
帰宅後も記録を宿題にせず、「どれを残したい?」と本人に選んでもらいます。書く気分でない日は、親が覚えておきたい一言を残すだけでも、その日の話をするきっかけになります。
発達特性のある子どもの虫取り準備でよくある質問
虫に触れなくても楽しめますか?
図鑑で名前を探す、虫かご越しに脚の動きを見る、花に来る虫を数えるなど、触らずにできる遊びもあります。本人が「触ってみたい」と言ったら、親と一緒に持ち方を試す機会にできます。
帰ると伝えても、まだ遊びたそうなときは?
突然片づけ始める前に、「最後にどの虫を見る?」と残りの遊びを具体的に伝えてみます。撮った写真を帰宅後に見る、次も同じ木へ行くなど、楽しみの続きを約束する方法もあります。伝わりにくかった日は、次回の時間や予告の仕方を変えてみてください。
毎回同じ虫ばかり見てもよいですか?
もちろんです。同じ虫でも、いる場所や動き、周りの草花は少しずつ違います。「前と同じだったね」も、一つの発見です。本人から疑問が出たら、図鑑を開いたり別の角度から見たりして話を広げられます。
「またあの虫を見たい」を次の親子の時間へ
帰り道には、「今日は何匹捕れた?」に加えて、「どの虫をもう一度見たい?」とも聞いてみてください。写真を一枚選んでもらっても、帰ってから同じ虫の話をじっくり聞いてもいいでしょう。
いつもの木で見つけた一匹や、何度も見比べた模様が、その親子ならではの話になっていきます。次の休日は、子どもが続きを知りたくなった場所へ。また一緒に見に行く約束から始めてみましょう。
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準備の参考にした情報
伝わりやすい声かけや感覚に合わせた環境の工夫は、国立障害者リハビリテーションセンター「気づきのポイント」を参考にしました。ここで紹介した虫取りの遊び方は、家庭で試すための提案です。






