庭でよく見るオカダンゴムシは、背中に厚みがあり、体を球のように丸められます。身近なワラジムシ類は平たい形で、球にはなりません。 まずは、歩いているときの背中と体の輪郭を見てみましょう。
ただし、「触っても丸まらなかったからワラジムシ」と、一つの反応だけで決めることはできません。無理に丸めさせず、複数の特徴を合わせて見ます。
ここでは住宅地や庭で見かけるオカダンゴムシと、ワラジムシ・ホソワラジムシなどを比べます。山林や海岸にいる仲間を含め、すべての種類をこの表だけで見分けるものではありません。
違いは、丸まり方・背中の厚み・歩く様子
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 見るところ | オカダンゴムシ | 身近なワラジムシ類 |
|---|---|---|
| 丸まり方 | 体を球状に丸められる | 球状には丸まらない |
| 横から見た背中 | 丸く盛り上がり、厚みがある | 比較的平たい |
| 歩く様子 | ゆっくり歩く姿が見られる | 素早く移動する姿が目につきやすい |
| 色 | 黒灰色だけでなく、淡い色や模様のある個体もいる | 灰色・褐色など、種類や個体で違う |
| 成体の歩く脚 | 7対、計14本 | 7対、計14本 |
歩く速さは、同じ個体でも状況によって変わります。「速いからワラジムシ」とは決めず、背中の形などと合わせて見る補助の手掛かりにします。倉敷科学センターの観察紹介でも、形と動きを比べる様子が紹介されています。
上からの写真だけで分かりづらければ、歩いているところを横から撮ると、体の厚みを確認しやすくなります。押さえつけて撮影する必要はありません。
丸まらないダンゴムシもいる
オカダンゴムシが、見ている間に必ず丸まるとは限りません。また、お腹側の育房で子どもを抱えている間は、完全には丸まれません。日本自然保護協会の解説でも、この状態が紹介されています。
だから、丸まらないことを確かめようとして何度もつつくと、観察より刺激を与えることが目的になってしまいます。
「今日は歩いたままだった」「背中に厚みがあるけれど、種類はまだ分からない」と残して構いません。丸まった姿を見られたときも、早く開かせようとせず、そのまま待ちます。
なお、丸まれるからといって、すべてオカダンゴムシとも限りません。ダンゴムシには複数の仲間がいるため、詳しい種名を知りたい場合は、その地域の図鑑や博物館の資料を使います。
色と脚の数だけでは、二つを区別できない
黒い個体をダンゴムシ、茶色い個体をワラジムシ、と分けるのは避けます。オカダンゴムシにも色や模様の違いがあり、写真の光の当たり方でも印象が変わります。
また、どちらも昆虫ではなく、エビやカニと同じ甲殻類の仲間です。成体の歩く脚はどちらも14本なので、脚を数えるだけでは二つの区別にはなりません。名古屋市衛生研究所の解説には、体のつくりと身近な種類の写真が載っています。
子どもが「虫なのに脚が多い」と気づいたら、「虫という呼び方の中にも、昆虫とは違う仲間がいるんだね」と話せます。名前を覚える前に、体の違いを見つけるきっかけになります。
子どもとの観察は、見る・撮る・戻すの順で
家の庭など、観察してよい場所で行います。重い石や植木鉢を子どもだけで動かさず、大人が安全を確かめてください。公園では物を動かしたり採集したりしてよいか、管理上のルールを確認します。
- まず歩いている姿を見て、体の形を確かめる。
- 上と横から、無理なく撮れる写真を残す。
- 「厚みがある」「平たい」「速く歩いた」など、見た特徴を書く。
- 動かした落ち葉などを戻し、すみかを大きく変えずに終える。
短く容器へ移して見る場合は、つぶしたり乾燥させたりしないよう大人が手伝い、日陰で観察します。透明な容器の外から見える範囲を使い、脚を見るために体を押さえて裏返すことはしません。
容器は観察の目的に合うものを選びます。長く飼う場合の準備は、ダンゴムシのケース選びと餌・土・水分の整え方で確認できます。
肉眼では小さいところを、ルーペで見るなら
背中の区切りや、歩く脚をもう少し大きく見たいときは、手持ちの虫眼鏡を試せます。道具を新しく用意するなら、レイメイ藤井「超観察ルーペ EW401」が候補です。
メーカー仕様では本体35g、3.5倍・6倍・13倍のレンズを備えています。最初は大きい3.5倍のレンズから見て、対象を見つけやすい距離へゆっくり合わせます。
動く生き物に高倍率の小さなレンズを合わせ続けるのは難しいことがあります。よく見えないからと体を押さえず、見える範囲を短く観察してください。太陽をのぞかず、使わないときは日なたに放置しません。
「背中の区切りが見えた」「脚が順番に動いた」を、自分の目で確かめたい子向けの一つです。 写真や肉眼で十分に見えているなら買い足す必要はありません。選ぶ場合はEW401の型番と倍率、送料を含めて比べられます。
小さな背中や脚を、押さえずに見るために
肉眼で背中の区切りや脚を見づらいときは、35gの超観察ルーペEW401が候補です。3.5倍の広いレンズから試し、歩いている姿を短く観察します。高倍率を合わせるために体を押さえる必要はありません。手持ちの虫眼鏡がなければ、型番と倍率を確認して選べます。
おすすめの理由: 3.5倍の大きなレンズで形を見つけ、6倍・13倍の小レンズで同じ場所を見比べられます。
選ぶときに見る所: 本体35g・高さ132mm。小さな子は親が手を添えて、一緒にのぞくところから始められます。
見分けられなかったところも、次の観察の材料に
ノートは、次のように見た事実と候補を分けて書けます。これは書き方の例で、実際の観察結果ではありません。
- 見たこと:「背中が平たく、すぐ落ち葉の下へ入った」
- 考えたこと:「ワラジムシの仲間かもしれない」
- 次に見たいこと:「横からの写真を撮り、図鑑の姿と比べる」
写真を調べても分からなければ、無理に種名を決めず「ワラジムシ類・詳しい種類は未確認」と残せます。虫の名前が分からないときの調べ方も使ってください。
体の形から動きへ関心が広がったら、ダンゴムシの迷路観察へ進めます。種類の分からない個体をまとめて同じ生き物として数えず、観察した相手の情報も残しましょう。
よくある質問
ダンゴムシとワラジムシは同じ生き物ですか?
同じ種類ではありませんが、どちらも甲殻類の近い仲間です。庭でよく見るオカダンゴムシとワラジムシ類は、丸まり方や体の厚みなどが違います。
丸まらないものは、全部ワラジムシですか?
そうとは言えません。ダンゴムシでも丸まらない場面があり、子どもを抱えている間は完全には丸まれません。何度も刺激せず、体の形なども合わせて確認します。
どちらにも同じ餌をあげれば飼えますか?
共通する食べ物はありますが、種類や飼育環境の確認が必要です。見分けるための短い観察と、毎日飼うことは分け、種類が分かってから準備します。






