希少な昆虫かもしれないと思ったら、特徴を残して調べよう
「この虫、初めて見た!」。そんな出会いは、親子で図鑑を開くきっかけになります。自分が知らない虫だからといって、希少種や採集禁止の虫とは限りません。 まずは、色や模様、いた場所、何をしていたかを一緒に見るところから。
保護対象の虫に似ている場合は、捕まえる前に写真や特徴を残して調べます。分からないことがあれば博物館などの相談窓口へ。名前を当てるだけでなく、「どうしてここにいたのかな」「何を食べるんだろう」と暮らしまで知ると、その一匹との出会いがもっと面白くなります。
レッドリストと「採集禁止」は同じではない
希少性を調べる情報と、捕まえてよいかを調べる情報は役割が違います。次のように分けて考えると、図鑑や検索結果を読みやすくなります。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 情報 | 分かること | 次に見るところ |
|---|---|---|
| レッドリスト・レッドデータブック | 絶滅のおそれの評価や生息状況 | その虫がどんな環境で暮らし、何が減少の原因か |
| 種の保存法に基づく指定 | 指定された種に関する捕獲などの規制 | 種名と指定区分、対象となる行為 |
| 自治体の指定・公園の利用案内 | 地域や場所ごとの保護・採集の条件 | 見つけた地域と施設の公式情報 |
環境省は、レッドリストへの掲載自体に、捕獲規制などの直接的な法的効力はないと説明しています。掲載されているかだけで採集の可否を決めるものではありません。環境省「レッドリスト・レッドデータブック」
種の保存法では、国内希少野生動植物種の捕獲などを原則として禁止しています。一方、特定第二種国内希少野生動植物種は、販売・頒布などを目的とする行為に規制が限定されます。「希少種はすべて同じ規制」とまとめず、指定区分を確認します。種の保存法の概要・特定第二種の制度
保護対象の候補名が分かったら、環境省の指定一覧と、見つけた自治体・公園の案内を照らしてみてください。公園ごとの調べ方は虫取りルールの読み方にまとめています。
親子で残したいのは、写真と「どこが気になったか」
後から調べるときは、虫の写真に加えて、その場で子どもが気づいたことも手がかりになります。全部そろえる必要はありません。見えたこと、覚えていることからで足ります。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 残すこと | 例 | 親子で見るポイント |
|---|---|---|
| 全体の姿 | 上から、横から見えた姿 | 体の形、翅の模様、触角の長さ |
| いた場所 | 葉の上、花、木の幹 | どんな植物や環境と関わっていたか |
| 行動 | 歩く、飛ぶ、何かを食べる | 何をしているときに見つけたか |
| 日時と場所 | 観察日、場所の名前 | 後で季節や地域の情報と比べる |
撮影のために虫をつまんで向きを変えず、見えている角度から撮ります。飛んでいったら、覚えている模様を親子で描いてもいいでしょう。「写真が撮れなかった」で終わらず、子どもの見つけた部分を聞いてみてください。
図鑑では、一か所ずつ似ているところを比べる
最初から一つの名前に決めず、「翅の形は似ている」「でも点の位置が違う」と候補を比べます。色だけで決めるより、体の形や模様も一緒に見ると、どこを調べたいかがはっきりします。
調べる一冊には、小学館の図鑑NEO〔新版〕『昆虫』をおすすめします。写真を見比べて気になる候補が見つかったら、生息する場所や成虫が見られる時期も読んでみましょう。大きな図鑑は、帰宅後に親子でページを広げる時間に向いています。
おすすめ商品 · 家で開く昆虫図鑑
家で写真と見比べ、虫の名前や特徴を探す一冊。小学館の図鑑NEO「昆虫」DVDつきです。持ち歩く道具とは分けて、家で広げて使う図鑑として紹介しています。
名前が分からないときは、博物館の相談案内を見てみる
自然史博物館などには、生き物について質問できる窓口があります。たとえば大阪市立自然史博物館「学芸員に質問する」は、写真から分かる範囲での相談に対応し、写真だけでは分からない場合もあると案内しています。
相談するときは、次のようにまとめると、何を知りたいかが伝わります。
「○月○日に、○○の葉の上で子どもが見つけました。図鑑の△△に似ていますが、翅の模様が違うように見えます。名前を調べるには、どこを見るとよいでしょうか?」
受付方法、画像の送り方、回答までの流れは施設ごとに違います。まず公式の相談案内を読み、写真と観察時の情報を用意します。相談のために虫を捕まえ直したり、いきなり生体を送ったりする必要はありません。
分からないままの部分は「まだ調べていること」として残せます。次の観察で見たいところが一つ増えた、と考えてみてください。
見つけた虫を調べ、記録するおすすめ道具
自分で写真を撮る、図鑑で比べる、気づいたことを描く。子どもが試したいことから選べます。
おすすめの理由: 静止画は約10cmから撮影でき、充電池とカードを含む重さの参考値は約119g。半押しでピントを合わせ、止まった虫や出かけた場所を自分で撮りたい子に。
選ぶときに見る所: 動画は約1.5mからピントが合います。microSDカードとUSB充電器は別売りで、Type-C同士のケーブルでは充電できません。
おすすめの理由: 家で広げて、写真や解説をじっくり調べる一冊としておすすめ。持ち歩くポケット図鑑とは使い分けます。
選ぶときに見る所: 大判でDVDつき。置き場所と、DVDを再生できる機器があるかを見ておきましょう。
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おすすめの理由: 立ったまま書きやすい硬めの表紙と、持ち歩きやすい細身サイズで観察記録に向きます。
選ぶときに見る所: 防水ではないので、雨の日は防水袋に入れます。鉛筆も一緒に用意しましょう。
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発見を記録するおすすめのカメラとノート
子どもが自分で写真を撮りたいなら、ケンコー KC-AF05がおすすめです。静止画は約10cmからピントを合わせられます。まず花や葉で半押しと撮影を試し、止まっている虫から挑戦すると使い方を覚えやすくなります。
記録用のmicroSDカードとUSB充電器は別売りです。充電はType-A側のある対応機器を使う仕様で、USB Type-C同士の接続では充電できません。必要な物を一緒に選べるよう、対応品も紹介します。
おすすめ商品 · 写真を保存するmicroSDカード
KC-AF05に別途用意するmicroSDHCカード。メーカー推奨EXCERIA BASICシリーズの32GB・Class10です。普通のSDカードとは大きさが違います。
おすすめ商品 · KC-AF05の充電器
KC-AF05のメーカー推奨USB充電器。カメラ付属のType-A to Type-Cケーブルと組み合わせます。
短いメモにはコクヨの測量野帳〈スケッチブック〉セ-Y3も便利です。小さな方眼に模様を描いたり、親が子どもの言葉を書いたりできます。細身の紙面なので、大きく絵を描く用途より、短い観察メモや小さなスケッチ向きです。
希少な虫の詳しい場所は、相談先と必要に応じて共有する
保護対象かもしれない虫の相談には、詳しい観察地点が役立つことがあります。家庭の記録には場所を残し、博物館や自治体の担当窓口へ必要な情報を伝えます。
一方、誰でも見られるSNSでは、詳しい地図や木の位置まで出さず、「こんな模様に気づいた」「この暮らしが面白かった」と発見を中心に紹介する方法があります。投稿前には、写真の位置情報や背景の案内板も見ておくと、意図せず場所を伝えることを防げます。これは保全に配慮した発信の提案で、すべての虫の観察場所を秘密にする決まりではありません。
希少な昆虫についてよくある質問
名前を知らない虫は、全部捕まえてはいけない?
名前が分からないこと自体で、採集禁止になるわけではありません。この記事は保護対象らしい虫に出会った場面を扱っています。普段の虫取りは場所のルールに合わせて楽しみ、保護対象に似ていると気づいたときは特徴を記録して確認します。
レッドリストに載っていなければ、採集してよい?
掲載の有無だけでは判断できません。種の指定や公園のルールなど、別の条件があるためです。逆に、掲載されていることだけで一律の捕獲禁止になるわけでもありません。
写真を見ても名前が決まらないときは?
候補名と似ている点・違う点を残しておきます。写真に写らない特徴が必要な場合もあります。分からないことを無理に埋めず、博物館の相談や次の観察につなげられます。
珍しさよりも、親子が気づいた面白さを残そう
調べた結果、身近によくいる虫だと分かっても、その発見の楽しさは変わりません。「こんな模様だったんだ」「あの葉を食べるんだね」と知ったことが、次に虫を見る目を変えてくれます。
いつか「あのとき二人で名前を調べたね」と話せるように、子どもが気になったことを一つ覚えておきましょう。次のお出かけでは、その虫がどこで何をしているか、親子でまた探してみてください。






