木を傷つけない虫取りは、樹液と虫の動きを探すところから
カブトムシやクワガタを探すときは、クヌギやコナラなどの幹を見て、自然に樹液が出ている場所を探します。木を削って樹液を出そうとする必要はありません。 幹のしっとりした部分や、虫が集まっている場所を手がかりに、親子で探せます。
虫のいる木を覚えたら、別の日にも訪ねてみてください。「今日はカナブンが来ている」「前より上の方にいる」。同じ木でも、少しずつ違う発見があります。
樹液の出ている木は、どこを見ると見つかる?
まずは歩ける道沿いの木から、幹をゆっくり見ていきます。クヌギやコナラの名前を知らなくても、樹名板のある公園なら、葉や幹と名前を一緒に覚えられます。同じ種類の木でも、樹液が出ているのは一部の木です。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 探す手がかり | 親子で見るところ | 見つけたあとの楽しみ |
|---|---|---|
| 幹の濡れたような部分 | 色の違い、液が出ている箇所 | 虫が口をつけているか眺める |
| 幹を行き来する虫 | 同じ場所へ集まっているか | 何種類来ているか比べる |
| 近くで気づく甘酸っぱい匂い | 周囲の木に樹液が出ていないか | 匂いと見える場所を照らす |
| 見つけた虫の移動 | 幹の表側から横へ動く様子 | 歩ける場所から、行き先を見る |
東京都公園協会は、コナラやクヌギの樹液に甲虫、チョウ、ガなどが集まる様子を紹介しています。匂いも手がかりになりますが、顔を幹に寄せてかぐ必要はありません。樹液に集まる昆虫たち
樹液にはスズメバチも来ます。ハチがいる木からは、落ち着いて離れて別の木を探します。追い払ったり、虫に手を伸ばしたりはしません。
カブトムシ以外にも、樹液に集まる虫を見てみよう
目当てのカブトムシがいない日も、樹液の周りには別の虫がいるかもしれません。甲虫だけを探して通り過ぎず、チョウや小さな虫の動きも見てみましょう。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 見つけた虫 | 気になるところ | 子どもへのひと言 |
|---|---|---|
| カブトムシ・クワガタ | 幹につかまる脚、口元、歩き方 | 「どの脚で木につかまっている?」 |
| カナブンなどの甲虫 | 背中の色や光り方、体の形 | 「角度を変えると同じ色に見える?」 |
| チョウ | 翅を閉じたときの模様、樹液を吸う口 | 「花にいるときと似たことをしているかな?」 |
樹液に甲虫やチョウなどが集まる様子は、施設スタッフの観察に基づくリソルの森の昆虫ガイドでも紹介されています。生息する虫や出会いやすい時期は地域で違うので、その日に見つけたものから調べてみてください。
木を削る・蹴る代わりに、見える範囲を丁寧に探す
樹液が見つからなくても、幹を削ったり樹皮をはがしたりはしません。木を傷める原因になるため、自然に出ている樹液を探します。虫を落とそうと木を蹴ったり、棒でたたいたりする方法も使いません。
代わりに試したいのは、次の三つです。
- 幹の横側も見る。 歩ける範囲で位置を変え、最初の場所から見えなかった面を探す。
- 子どもの目線の高さでも見る。 親もしゃがむと、低い位置の虫に気づくことがある。
- 隣の木と比べる。 同じ種類でも、樹液や集まる虫に違いがあるか見てみる。
高い所や幹の穴へ隠れた虫は、道具でほじり出さず、外へ出ている虫を探します。目当ての虫が見つからなかった日は、気になった木を覚えておくと次の行き先になります。
捕まえてみたいときは、届く場所の虫から
採集できる場所で、手の届く幹にカブトムシが出てきたら、親と一緒に捕まえる体験もできます。木にしっかりつかまった脚を無理に引っ張らず、動き方を見ながら扱います。捕まえ方や持ち方は親子のカブトムシ採集で詳しく紹介しています。
木を傷つけないことと、虫に触れたり捕まえたりして知る楽しみは両立できます。子どもが何をしてみたいかに合わせて、その場の遊びを選んでください。
樹液に来た虫をじっくり見る道具
幹の虫を大きく見る双眼鏡と、その場で名前を調べる携帯図鑑。親子で見えたものを話しながら使えます。
おすすめの理由: 約50cmからピントが合う6.5倍の双眼鏡。花に止まるチョウの口や模様を、親子で交代して見たいときに。
選ぶときに見る所: 約290gで、防水型ではありません。子どもの目の幅に合うか、両手で持ちやすいかを試して選びます。
おすすめの理由: 現地に持ち出しやすいポケット判。捕まえた虫をその場で調べたい親子におすすめです。
選ぶときに見る所: 持ち歩き用の小さな判型です。写真と文字の大きさが子どもに見やすいかを見て選びます。
同じ木にまた行くと、前との違いが面白い
一度見つけた木には、「前と同じ虫がいるかな」と考えながら戻れます。記録するなら、日付、見に行った時間、いた虫を短く残すだけで十分です。数を数えるのが好きなら何匹いたか、絵が好きなら幹のどこにいたかを描けます。
短いメモにはコクヨの測量野帳〈スケッチブック〉セ-Y3がおすすめです。細身で持ち歩きやすく、小さな方眼に虫の数や位置を書けます。大きく描くには紙面が狭いため、一行のメモや小さなスケッチ向きです。
おすすめ商品 · 観察ノート
持ち歩く自分用の観察ノートに。小さな方眼へ、見つけた虫の絵や時刻を書き込めます。
「毎回同じ虫だからつまらない」ではなく、「同じ虫が今日は何をしているか」を見てみましょう。虫がいない日も、前回と何が違ったかを親子で話すきっかけになります。
幹の虫を見比べる、おすすめの双眼鏡と図鑑
少し離れた幹の虫を大きく見たいなら、PENTAX Papilio II 6.5x21がおすすめです。倍率6.5倍で、約50cmからピントが合います。最初は動かない樹皮に合わせ、操作に慣れたら虫の姿へ。
本体は約290gで、防滴仕様ではありません。子どもと使う場合は、両目で一つの像が見えるかと持ちやすさを試してから。双眼鏡で太陽を見ないことも、使い始めに伝えてください。
現地で名前を調べるなら小学館の図鑑NEO POCKET『昆虫』を。携帯用の小さな図版で見分けにくいときは、帰宅後にNEO〔新版〕『昆虫』を開き、写真や説明をじっくり比べるのもおすすめです。
おすすめ商品 · 家で開く昆虫図鑑
家で写真と見比べ、虫の名前や特徴を探す一冊。小学館の図鑑NEO「昆虫」DVDつきです。持ち歩く道具とは分けて、家で広げて使う図鑑として紹介しています。
木を傷つけない虫取りでよくある質問
クヌギやコナラなら、必ず樹液が出ていますか?
いいえ、樹液が出ているのは一部の木です。幹の様子と虫の動きを見ながら探します。見つからなくても木を削らず、別の木を見ていきます。
カブトムシがいない日は、どう楽しめばいい?
カナブンやチョウなど別の虫を探したり、次に見に来たい木を見つけたりできます。「今日は何が来ているかな」と見る対象を広げると、カブトムシ探しの途中にも発見があります。
樹液の場所を覚えるため、木に印を付けてもいい?
幹へ傷を付けず、道や周りの木の形をメモする、写真を残すといった方法で覚えられます。親子で分かる呼び名を付けても、次に探す楽しみになります。
親子で覚えた一本の木が、次の夏の楽しみになる
「あの木に、今年もカブトムシが来るかな」。そんな話ができる木が一本あると、いつもの公園や林へ行くのが楽しみになります。
初めて見つけた虫、親子で見比べた脚、何もいなかった日のこと。その木で過ごした時間が重なって、「小さいとき、ここで探したね」と話せる思い出になっていきます。次のお出かけでは、また見たい木を子どもと選んでみましょう。






