「いま、枝が動いた?」。木の細い枝だと思っていたものに脚があり、ゆっくり歩き出したら、ナナフシの仲間かもしれません。
ナナフシが枝に似ているのは、周囲のものに紛れて身を守る擬態(ぎたい)の一例です。親子で見るときは、色だけでなく、細長い形、脚の置き方、止まっている場所を見比べます。見つけても、脚や体をつままず、その場で観察しましょう。
擬態とは?「枝に変身する」のとは少し違う
擬態は、周囲のものやほかの生き物に似た姿を持つことです。ナナフシの場合は、枝のような細い体や脚、背景に紛れやすい色などが、天敵に見つかりにくくするのに役立つと考えられています。
子どもには「鳥から見たとき、枝の中で見つけにくい形なんだね」と話すと、観察につながります。その場で考えて枝に変身したり、好きな色へすぐ変えたりする、という説明にはしないでください。
JT生命誌研究館のナナフシの展示解説でも、枝に似た姿と身を守るしくみが紹介されています。幼虫も枝のような形をしており、脱皮を重ねて成長します。
見つけるコツは、枝を揺すらずに輪郭を追うこと
ナナフシの仲間は、雑木林の縁などで、葉や枝の上を探すと見つかることがあります。木の幹でじっとしている場合もあります。地域や種類、季節で見つかりやすさは違い、「この木なら必ずいる」とは言えません。
- 通路から見られる、低い枝や葉を一か所選ぶ。
- 枝の先から付け根へ、目でゆっくりたどる。
- 左右へ折れ曲がる細い線や、頭にある触角がないか見る。
- 気になった場所で少し待ち、自然に動くか確かめる。
細い枝を全部つかんで確かめる必要はありません。枝をたたいたり、木を揺すって落としたりせず、目の届く範囲で探します。高い場所や茂みの奥なら、立ち入らずに離れて見るだけでも十分です。
夏に木の幹で観察できる例は、宮内庁のナナフシモドキ紹介にも載っています。特定の園地での案内なので、別の公園へ出かけるときは、その場所のルールを確認してください。
見つけたら、色・形・姿勢を一つずつ比べる
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 見るところ | 子どもへの声かけ | 写真やノートに残すこと |
|---|---|---|
| 体の色 | 「近くの葉と枝、どちらに似ている?」 | 緑色、茶色など、見えた色 |
| 体の形 | 「どこからどこまでが虫かな?」 | 頭と胴、細長さ |
| 脚の位置 | 「枝と違って、曲がる所があるね」 | 見えた脚の位置。隠れた部分は不明のまま |
| 止まり方 | 「体と枝は同じ向きかな?」 | 枝に沿う、斜めになるなどの姿勢 |
| 動き | 「止まった写真と、歩くときはどう違う?」 | 自然に動いた方向や様子 |
ナナフシの脚は昆虫らしく6本ありますが、重なったり、体の前へ伸ばしていたりすると、全部を数えにくいことがあります。見えない脚を確かめるために、ひっくり返さないでください。
ナナフシモドキとエダナナフシなど、よく似た仲間もいます。触角の長さは手がかりになりますが、写真の角度で見え方は変わります。頭・体全体・見つけた場所を記録し、分からなければ「ナナフシの仲間」で残しましょう。名前が分からない虫の調べ方も役立ちます。
脚が細いので、引っ張ったりつまんだりしない
ナナフシの脚や触角は傷つきやすく、危険を感じると脚を自分で切り離すこともあります。脚を失った後の再生が知られていても、「また生えるから触ってよい」とは考えません。
観察はその場で行い、写真を撮るときも枝にとまったままにします。どうしても危険な場所から移す必要があるときは、大人が近くに枝などの足場を差し出し、自分で移るのを待ちます。つかまっている脚を一本ずつはがさないでください。
触らず観察する方法は、虫の写真を撮るコツでも紹介しています。近づけない枝なら、近くにピントが合う双眼鏡で見る選択肢もあります。
小学生の自由研究は「どこが似ていたか」を言葉にする
見つけた瞬間の写真だけで終わらず、虫と背景を一緒に記録すると、擬態について説明しやすくなります。次は、実際の観察結果ではない記入例です。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 記録する項目 | 仮の記入例 |
|---|---|
| 場所 | 公園の通路から見える低い枝 |
| 最初に気づいたところ | 枝の途中に、左右へ曲がる細い線があった |
| 似ていたところ | 体の茶色と細長い形が、周りの枝に似ていた |
| 気になったこと | 葉の上にいるときも、同じくらい見つけにくいのかな |
幼児なら「どれが虫?」と親子で見つけるだけでも楽しめます。小学生は、写真に矢印を入れて気づいた場所を示したり、観察ノートへ言葉を足したりしてみましょう。
家では、虫を使わず紙で確かめられる
細長い茶色の紙を、茶色い紙の上と緑の紙の上へ同じように置き、どちらが見つけやすいか比べてみます。背景以外をなるべくそろえると、色の影響を考えやすくなります。紙を切る作業は年齢に合わせて大人が手伝ってください。
これは人の目で見つけやすさを比べる遊びです。ナナフシの天敵が同じように見ていると証明する実験ではありません。生きた虫を何度も違う背景へ移さずに、観察から生まれた疑問を試す方法として使えます。
散歩に持っていく図鑑があると、似た虫を比べやすい
見つけた虫の写真を、その場で図鑑と見比べたい家庭には、携帯できる一冊が候補になります。「学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版」は、生きた虫の写真を収録したB6変型判・256ページの図鑑です。
家に持ち出しやすい図鑑があれば、まずそれを使って構いません。新しく用意するなら、散歩の荷物に入る大きさか、子どもが写真や文字を読みやすいかを確認してください。新版のISBNは9784052062919。同じシリーズの旧版や大型版と区別すると、選び間違いを減らせます。
見つけた姿を、その場で図鑑と見比べる
散歩先で「これも同じ虫かな」と調べたい親子には、持ち歩ける図鑑が候補です。学研の図鑑LIVEポケット 昆虫 新版は、生きた虫の写真を収録したB6変型判。2026年版のISBNと文字の読みやすさを確認して選びましょう。
おすすめの理由: 生きた昆虫の写真で実物と見比べる一冊。採集・飼育や抜け殻の見分け方も楽しめます。
選ぶときに見る所: B6変型判・256ページ。新版ISBN 9784052062919を確認し、旧版や大型版と区別してください。
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よくある質問
ナナフシは木の枝を食べるのですか?
枝のように見えても、身近なナナフシモドキなどは植物の葉を食べます。見た目と食べ物は別です。どの葉でもよいとは限らないため、飼う場合は種類と餌を確かめてからにしましょう。
ナナフシはすべてメスなのですか?
ナナフシモドキは、主にメスだけで子を残す単為生殖を行い、オスはまれです。ただし、ナナフシの仲間すべてに同じ説明は当てはまりません。色や大きさだけでオス・メスを決めず、種類を確認します。三鷹市のナナフシモドキの解説にも、生息場所や繁殖の特徴が紹介されています。
見つからないときは、どこで観察できますか?
昆虫館などの生体展示も選択肢になります。展示される種類や公開状況は変わるため、出かける前に施設の案内を確認してください。親子で昆虫館へ行くときの準備で、観察の楽しみ方を紹介しています。






