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虫を知る

チョウとガの違いは?触角の先を見てみよう

庭のテーブルで、図鑑を指さす子どもとスマートフォンの虫の写真を見せる父親

チョウとガを日本で見分けるなら、触角の先の形に注目。昼に飛ぶか、羽を閉じてとまるか、色が鮮やかかだけでは決められません。触角の比較図と仲間分けの図で違いを説明し、海外の例外や、親子で写真と図鑑を見比べるときのヒントを紹介します。

日本で見かけるチョウとガは、触角の先の形が見分ける手がかりになります。チョウは先がふくらみ、ガは先が細くなります。 昼に飛んでいるからチョウ、茶色いからガ、と決めることはできません。

花にとまった一匹を見て「チョウかな、ガかな」と迷ったら、大きな羽から、頭の細い触角へ目を移してみましょう。色の印象とは違う答えが見つかるかもしれません。

日本で見かけたら、触角の先を見よう

触角は、頭から左右に伸びる細い部分です。途中の太さだけでなく、いちばん先がどんな形になっているかを見ます。

日本のチョウは触角の先がふくらむ。ガは糸のような形や羽毛のような形などがあり、先端が細くなる比較図
日本で見かける種類の、触角の形を単純化した図です。先端が写真に写っていないときは、ふくらみの有無を判断できません。海外には例外もあります。 図を選ぶと拡大できます。

チョウの触角は、先がふくらんだ形をしています。ガには糸のようなものや羽毛のように枝分かれしたものなどがあり、先端は細くなります。「ガの触角は全部ふさふさ」と覚えると、糸のような触角のガで迷ってしまいます。

この日本の種類についての区別は、姫路科学館「ガっぽいチョウ、チョウっぽいガ」でも説明されています。ただし、写真がぼけていたり、触角の先が羽に隠れていたりすれば、形は確かめられません。先が見えないことと、ふくらみがないことは別です。

観察のために触角をつまんだり、伸ばしたりする必要はありません。撮れた写真や図鑑の大きな写真から、見えるところを探してみてください。

昼夜や羽の開き方だけでは決められない

「チョウは昼、ガは夜」「チョウは羽を閉じてとまる」と聞くことがあります。よく見かける姿ではあっても、すべてに当てはまる見分け方ではありません。

よく使われる手がかりそれだけでは決められない理由
昼に飛んでいる昼に活動するガもいる
とまるときに羽を開いている羽を開いて休むチョウもいる
色が地味、または鮮やかチョウにもガにも、さまざまな色や模様がある

福井市自然史博物館の展示解説でも、こうした特徴に例外が多いことが紹介されています。とまっている姿は写真に残しておくと役立ちますが、一つのポーズを見ただけで答えを決めなくても大丈夫です。

子どもが「茶色いからガだ」と言ったら、「触角の先も見てみようか」と返せます。間違いを指摘するより、比べる場所を一つ増やすと、同じ写真から新しい発見ができます。

チョウもガも、チョウ目の仲間

チョウとガは、どちらも「チョウ目」という昆虫の大きな仲間に入ります。「鱗翅目(りんしもく)」も同じ意味です。その中の一つのまとまりがチョウで、チョウ以外のさまざまな仲間をまとめてガと呼びます。

チョウ目の中にチョウのまとまりがあり、そのほかのスズメガ科、シャクガ科、ヤガ科などをガと呼ぶ関係図
チョウはチョウ目の中の一つのまとまりで、ガにはさまざまな仲間が含まれます。所属を示す模式図で、進化の順序や種類数の比は表していません。 図を選ぶと拡大できます。

つまり、チョウとガは、まったく別々の虫の大集団というわけではありません。一方で、「同じ仲間だから、チョウとガの区別はない」と言い切るのも大ざっぱです。分類では、チョウは「アゲハチョウ上科」という一つのグループにまとめられています。

この名前の「アゲハチョウ」は、身近なアゲハだけを指しているわけではありません。モンシロチョウやセセリチョウなども含む、もっと広い仲間の名前です。図鑑で同じチョウのページに並んでいても、羽の形や色がずいぶん違うのは面白いところですね。

育ち方を比べたいときは、完全変態と不完全変態の違いへ。こちらでは、さなぎの段階を通るかどうかに注目しています。

世界の図鑑では、触角にも例外がある

最初の見分け方は、日本の種類についての話です。世界へ目を広げると、触角の先がふくらまないチョウもいます。

中南米のシャクガモドキ科(Hedylidae)は、その例です。夜に活動し、触角にはチョウらしい先端のふくらみがありません。フロリダ自然史博物館の紹介では、ガに似た姿のこのチョウの仲間を写真で見ることができます。

反対に、海外には触角の先がふくらむガもいます。カストニアガ科(Castniidae)は、昼や夕暮れに飛ぶガの仲間です。世界の昆虫図鑑で思いがけない姿を見つけたら、どこの地域の虫なのかも読んでみましょう。日本で覚えた特徴を、そのまま世界中の種類へ当てはめないことが大切です。

写真と図鑑で、見えたところを比べよう

親子で調べるなら、まずは写真の頭の部分を拡大します。触角の先まで写っていなければ、無理にチョウかガかを決めず、羽の模様や全体の形が似た虫を図鑑で探してみてください。撮った場所や季節も、候補を比べるときの手がかりになります。

答えが出なくても、「先が写真の外だったね」「次は頭も写してみよう」で観察は続きます。図鑑の絵とぴったり同じ姿を探すだけでなく、どの部分が見えて、どこが分からないかを話してみるのも楽しいものです。

羽や口、訪れる花も見たくなったら、親子で楽しむチョウ観察をどうぞ。チョウかガかが分かった後にも、一匹の中にまだまだ見るところが残っています。

よくある質問

昼に飛ぶ虫ならチョウですか?

昼に活動するガもいるため、時間帯だけでは決められません。日本で見かける種類なら、触角の先がふくらんでいるかどうかを見て、図鑑の写真や説明と比べてみましょう。

写真で触角が見えないときは、どう調べますか?

羽の模様や全体の形、見つけた場所や季節から図鑑の候補を探せます。ただし、写真に写っていない触角の形を想像して断定しないようにします。分からないまま残し、次に出会ったときの楽しみにしても構いません。