カマキリを親子で飼うには、一匹ずつの容器、脱皮のためにぶら下がれる足場、体に合う餌の昆虫、水分を用意します。特に、餌を継続して用意できるかは、持ち帰る前に確かめたいことです。
この記事は、オオカマキリなど日本の身近な種類の、大きくなった幼虫や成虫を想定しています。生まれたばかりの小さな幼虫や外国産のカマキリは、餌の大きさや温湿度などに別の準備が必要です。
飼う前に、餌の入手と世話の担当を決める
カマキリはほかの昆虫などを食べる肉食の生き物です。カブトムシ用ゼリーや果物を主食にする飼い方にはできません。東北大学植物園のオオカマキリの紹介にも、昆虫を捕らえる食性や共食いが説明されています。
生きた餌を扱うことに子どもや大人が抵抗を感じるなら、野外で姿を見守る観察から続けても構いません。飼育を始めてから困らないよう、次を相談します。
- 何のカマキリか、幼虫か成虫かを調べられるか。
- 食べられる大きさの餌を、どこで継続して用意するか。
- 毎日の水分・食べ残し・体の様子を、誰が確認するか。
- 旅行や留守の日に、世話を頼める人がいるか。
種類が分からないときは、まず写真と特徴で調べるところから始めます。採集場所のルールも確認してください。
ケースは一匹ずつ。足場から下の空間を空ける
カマキリ同士や、観察用のほかの虫を同じ容器へ入れ続けると、捕食が起きるおそれがあります。家庭では一匹ずつ分けます。
幼虫は、ぶら下がった状態で古い皮から体を抜きます。ケースの高さの表示だけを見るのでなく、実際につかまる場所から床や物まで、体と脚を伸ばせる空間があるかを確認してください。大きくなった後の姿も考えて選びます。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 必要なもの | 用意する理由 | 確認するところ |
|---|---|---|
| 十分な高さと広さのある容器 | 動いたり、ぶら下がったりできるようにする | 成長後の体が床・壁・飾りにぶつからないか |
| 通気するふた | 空気を入れ替え、逃げ出しを防ぐ | 本体や餌が抜けるすき間がないか |
| 安定した枝や、脚を掛けられる足場 | 休む場所と脱皮する場所を作る | 倒れないか、切り口や粘着面が出ていないか |
| 床に敷く紙など | ふんや食べ残しを見つけやすくする | 濡れたまま・汚れたままになっていないか |
透明な壁を登れても、それだけで足場が十分とは限りません。只見ブナと川のミュージアムの公開飼育資料でも、脚の爪を掛けてぶら下がれる場所の必要性が説明されています。
置き場所は直射日光や強い冷暖房の風を避け、安定した台の上にします。窓辺の日なたや車内へ置きっぱなしにしないでください。紙や布で通気口を全面的にふさぐ使い方も避けます。
餌は体に合う大きさを、一匹ずつ
餌の候補には、小さなバッタ類や、飼育用に販売されている適切な大きさのコオロギなどがあります。大きすぎる餌は捕らえられないだけでなく、カマキリを傷つけることがあります。捕らえられるサイズを種類・成長段階に合わせて確認します。
最初から大量に入れず、一匹ずつ与え、食べる様子を見ます。食べない生き餌を容器へ放置しないでください。特に脱皮前後は、餌の昆虫に脚や触角などをかじられることがあります。チャームの飼育FAQにも、足場、水分、活餌の量についての注意が載っています。
餌を食べる頻度は、幼虫・成虫、体の大きさ、状態によって変わります。「毎回何匹」と固定するより、前回食べた日と量、残したかどうかを記録し、合う量を確認します。幼虫は成長途中なので、毎日様子を見て餌の準備を続けます。
ヨーグルトや加工肉など、人の食べ物を食べることがあっても、それだけで長く飼えるとは考えません。餌の昆虫が用意できない状態を、家庭の食べ物だけで補い続ける飼い方は避けましょう。
水は、葉や壁の水滴を使って補う
容器の壁や葉に少量の水滴を付け、飲める状態を作ります。カマキリの体へ直接霧をかけず、体がいない場所を狙います。深い水皿を置いておけば十分、という管理にはしません。
水滴の残り方は通気や室内の状態で変わるため、回数を一律に増やすより、乾き方を見て調整します。床が水浸しになったり、結露したままになったりするほど噴霧しないでください。脱皮している最中は容器を開けて作業せず、静かに見守ります。
少量の水滴を付けるための霧吹き
新しく用意する候補は、マルハチ産業「ザ・霧吹き #30」の300mlです。メーカーの製品案内では、振り子式ホースを使う霧吹きとして掲載されています。ボトルを傾けて使えるので、容器の壁や葉へ向ける用途を考えられます。
これは一般用の霧吹きです。昆虫に必要な水の量を自動で調整する道具ではありません。最初はケースの外で噴霧を試し、水の出方を大人が確認します。
毎日の水分管理に使う一本を決めておくと、掃除用や園芸薬剤用のボトルと取り違えにくくなります。 清潔な水専用の霧吹きをすでに持っているなら、それを使えます。新しく選ぶ場合は、#30・300ml・色を確認してください。掲載する楽天の商品はブルーの単品です。
葉や壁に少しずつ水滴を付ける、飼育専用の霧吹き
毎日の水分の確認に使うなら、300mlのザ・霧吹き#30を飼育専用に用意する方法があります。振り子式ホースで傾けて噴霧しやすく、壁や葉を狙えます。カマキリへ直接かけず、量は状態を見て調整します。薬品を入れた容器と兼用せず、#30・300mlの表示を確認して選んでください。

おすすめの理由: 300mlの小型ボトル。振り子式ホースで傾けて使え、葉や壁へ水滴を付ける飼育用の一つに。
選ぶときに見る所: 飼育には清潔な水だけを使い、薬品用と兼用しません。生き物へ直接噴霧せず、#30・300ml・色を確認します。
薬品や洗剤を入れていたボトルを飼育用へ転用せず、水用として分けておきます。子どもが使う場合も、大人が噴霧する場所と量を見守ってください。
食べないときは、脱皮と環境の両方を確認する
幼虫が食べなくなり、上の方でじっとしていたら、脱皮前の可能性があります。ただし、食べない理由を脱皮だけに決めつけず、次の順で見ます。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 確認すること | 対応の考え方 |
|---|---|
| 餌が大きすぎないか、食べ残していないか | 合わない生き餌を取り出す |
| 日差し、冷暖房の風、乾燥、過度な湿りがないか | 置き場所と水分の管理を見直す |
| 幼虫が安定した場所でぶら下がっているか | 脱皮の可能性を考え、触らず静かにする |
| 弱りや異常な様子が続いていないか | 種類・飼育条件・食べた日を整理し、飼育相談先へ確認する |
脱皮が始まったら、体や古い皮を引っ張らず、ケースも動かしません。終わった直後も体が柔らかいため、すぐに触ったり餌を入れたりせず、落ち着いて体が固まるのを待ちます。
観察したい子には「何時にぶら下がり始めたか」「どんな姿勢だったか」を離れて記録してもらえます。写真を撮るために枝を回したり、容器を揺らしたりしないでください。
毎日の世話は、子どもと大人で分ける
子どもには、前日と同じ場所にいるか、水滴や食べ残しがあるかを、外から知らせてもらえます。給餌、ふたの開閉、取り出し、足場の固定は、大人が状態を見て担当します。
掃除では、ふんや食べ残し、濡れて汚れた紙を確認します。カビや傷んだ餌をそのままにせず、脱皮を邪魔しないタイミングで取り除きます。洗う必要がある場合は別の適した容器を用意し、虫かごの手入れを確認してください。
成虫になった後と、卵を産んだとき
成虫になると、それ以上脱皮して大きくなることはありません。餌、水分、足場を保ちながら、一匹ずつ世話を続けます。食べなくなった成虫を、次の脱皮を待っている幼虫と同じに扱わないことが大切です。
卵を包んだ卵鞘(らんしょう)ができた場合は、種類と今後の管理を確認します。暖房の効いた部屋では早くふ化することがあるため、そのまま室内の飾りにしないでください。準備はカマキリの卵を観察する記事で確認できます。
飼育した個体や卵を、別の地域や公園へ移して放すことはしません。購入個体や由来の分からない個体も含め、野外へ放さないための確認を読んでおきましょう。
よくある質問
子どもだけでカマキリを飼えますか?
餌の入手、環境の判断、ふたの開閉は大人が担当できる体制にします。子どもは日々の観察や記録から参加し、慣れても大人が確認を続けます。
カマキリを二匹、同じ虫かごに入れてもよいですか?
家庭での通常の飼育は一匹ずつにします。共食いや接触を避けるため、観察のために同居させる必要はありません。
虫かごが小さいときは、頻繁に外へ出せばよいですか?
外へ出す回数では、脱皮の空間不足を補えません。安定した足場と十分な空間のある容器を先に用意します。何度も手に乗せる遊びも控えます。






