昆虫を飼えなくなったら、一時的な留守か、飼育の終了かを分けよう
旅行などの間だけなら世話を頼む人を、これから先も飼うのが難しいなら引き継いで飼える人を探します。 子どもだけで抱え込ませず、大人が連絡や日程を進め、引き渡す日までは食事と住まいを整えて世話を続けましょう。
購入した虫や別の地域から来た虫は、近くの公園へ放しても「元の場所へ帰す」ことにはなりません。今いる一匹が、この先も飼育してもらえる方法を考えます。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 困っていること | まず試すこと | 子どもと一緒にできること |
|---|---|---|
| 旅行・入院などで一時的に留守にする | 家族や知人に、期間と世話の内容を伝えて頼む | エサの場所や、ふたの開け方を見せる |
| 子どもの世話が続かない | 大人が世話を引き受け、任せる仕事を一つに減らす | 「エサが減ったか見る」など、できそうな仕事を選ぶ |
| 引っ越しなどで今後も飼えない | 飼育できる知人へ相談し、購入した虫なら販売店にも尋ねる | 虫の特徴や好きな場所を、次の人へ伝える |
特定外来生物など、移動や譲渡に規制がある種類は手順が異なります。該当する可能性がある時は、下の種類と規制の確認から進めてください。
昆虫の引き取り先は、相手が世話できるかを話して決める
国産カブトムシの成虫など、通常の家庭飼育をしている虫なら、飼育経験のある親戚や知人に「この虫を育てたいか」「世話を続けられるか」を聞くところから始められます。虫が好きという気持ちに加えて、置く場所と毎日の世話を引き受けられることが大切です。
- 種類・匹数・成虫か幼虫かを伝える。 写真もあると、相手が迎えられるか考えやすくなります。
- いつまでの世話かを決める。 一時預かりなら戻す日、譲るならその後も飼ってもらうことを確認します。
- ケースやエサも一緒に渡せるか話す。 相手が初日から世話できるよう、使っている物と必要な物をそろえます。
子どもの友達へ譲る場合は、保護者同士で話します。子ども同士で「明日持っていくね」と決めてしまうと、相手の家に置き場所や飼育の準備がないかもしれません。
購入した虫なら、販売店に引き取りや飼育相談ができるか尋ねる方法もあります。引き取るかどうかは、店によって違います。昆虫館・学校・自治体なども、飼育個体を受け入れていないことがあるので、虫を運ぶ前に問い合わせます。
相談する時は、この五つを伝えよう
- 虫の種類と、分かる範囲の産地・購入先
- 匹数、成虫・幼虫・さなぎの別
- 今の食べ物と世話の方法
- 一時的な預かりか、今後の飼育を引き継いでほしいのか
- いつまでに対応したいか、渡せるケースや用品は何か
分からない項目は、分からないまま伝えて構いません。販売時のラベルや記録を写真に撮っておくと、確かめられることから整理できます。引き継ぎ先がすぐに決まらなければ、家族で世話を分担しながら次の相談を進めます。
世話の引き継ぎメモは、食事・場所・ふたの三つから
毎日の作業が分かる一枚のメモにすると、長い飼育日記より読み返しやすくなります。たとえばカブトムシの成虫なら、次のように書けます。内容は実際に飼っている虫に合わせて変えてください。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| メモすること | 書く内容の例 |
|---|---|
| 食事 | 使っている昆虫ゼリーの名前、エサ皿の場所、汚れたり減ったりした時の交換方法 |
| ケースの置き場所 | ふだん置いている場所、直射日光を避けること、その種類に合う温度の案内 |
| ふたと手入れ | ロックの開け閉め、エサ皿を取り出す順番、マットの乾きや汚れを見る方法 |
| 連絡先と予定 | 頼んだ人と保護者の連絡先、一時預かりなら戻す日 |
渡す前に一度、相手と同じ手順でエサ交換をしてみましょう。「この木の下によくいるよ」と子どもが教えられる部分もあります。大人が説明を補えば、子どもが今まで知ったことも引き継げます。
専用の一冊を用意するなら、コクヨ 測量野帳 スケッチ セ-Y3がおすすめです。硬い表紙で、外寸は165×95×6mm、3mm方眼。ケースのそばでエサ交換の日や、気づいたことを書き留める用途に使えます。コクヨ公式の仕様
小さいページなので、大きな字で長い手順を書くより、短いメモや簡単な絵を残す使い方に向いています。使うペンで裏写りしないか、一ページで試してから書くとよいでしょう。以前の観察ノートの記事では、家で広げて書けるA4ノートも紹介しています。書いた一枚だけを相手へ渡して、思い出のノートは手元に残す方法もあります。
おすすめ商品 · 観察ノート
持ち歩く自分用の観察ノートに。小さな方眼へ、見つけた虫の絵や時刻を書き込めます。
世話を続けるケースは、エサ交換のしやすさで選ぼう
新しく住まいを用意する国産カブトムシ・クワガタの成虫には、三晃商会 クリーンケースMがおすすめです。外寸は30.5×19.5×23.2cm。透明なふたと側面から様子を見られ、左右にロックがあります。メーカーの製品案内
小さなエサ用の窓はなく、毎回ふた全体を外して手入れします。広く開けて手入れする使い方に合うか考えて選び、渡す時は開閉の仕方も見せましょう。届いたら、空の状態でふたと本体を確かめます。
ケースを替える場合も、虫に合うエサ・マット・足場を整えてから移します。カブトムシ・クワガタの成虫は一匹ずつ飼う準備を基本にし、詳しい世話はカブトムシ・クワガタの記事で確認できます。バッタやチョウの幼虫は、食べ物も住まいも別の準備になります。
毎日の世話と、引き継ぎに使う道具
国産カブトムシ・クワガタ成虫用のケースと、世話を伝えるノートです。迎える虫や書きたい内容に合わせて選びましょう。
おすすめの理由: 幅30.5×奥行19.5×高さ23.2cmの透明ケース。中を横から見やすく、ケースから飼育用品を選んで組み合わせたい家庭におすすめです。
選ぶときに見る所: 小さなエサ窓はなく、ふた全体を外してエサを替えます。運ぶときは底を支えます。マットやエサは別売りです。
おすすめの理由: 立ったまま書きやすい硬めの表紙と、持ち歩きやすい細身サイズで観察記録に向きます。
選ぶときに見る所: 防水ではないので、雨の日は防水袋に入れます。鉛筆も一緒に用意しましょう。
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外来種を放さない理由と、譲渡前の確認
外国産の虫だけでなく、日本の別の地域から運ばれた虫も、その場所にもともといなければ外来種になります。外へ放すと、そこにいる虫と食べ物やすみかを取り合うなど、地域の自然に影響する場合があります。環境省の外来種の説明
子どもには、「この辺りにいる虫にも、うちで飼っている虫にも、暮らす場所があるんだね」と話せます。購入した虫、他の地域から来た虫、由来の分からない虫を近所へ放す方法は選ばず、飼育を続ける相手を探しましょう。
外来種と特定外来生物は、同じ意味ではありません
外来生物法の規制対象となる特定外来生物は、原則として飼育・運搬・放出などが規制され、譲渡にも制限があります。全ての外来種や、普通に飼育される昆虫の譲渡に、同じ手続きが必要という意味ではありません。
種類名を環境省の一覧と照合し、該当する、または種類が分からず疑いがある場合は、移動や引き渡しの前に管轄の地方環境局等へ問い合わせます。具体的な扱いは、規制内容の案内から確認できます。制度の確認は2026年9月30日時点です。
このページは、飼育を始めた虫や購入した虫の引き継ぎを扱っています。野外で捕まえ、その場で姿や動きを見て戻す遊びは、虫かごでの観察やセミの観察で紹介しています。
子どもが覚えた世話を、次の人へ伝える時間に
一緒に育ててきた虫を預けたり譲ったりする時、子どもが寂しく感じることもあります。急いで納得させず、「どんなところが好きだった?」と聞きながら、気に入った姿を写真に残すのも一つの方法です。
エサの置き場所を教えられる、隠れる木を知っている、ふたを閉める手順を見せられる。次の人へ伝える時間には、子どもが世話をしながら覚えたことが見えてきます。相手に無理のない範囲で、後日様子を教えてもらえたらうれしいですね。
「毎日こんな姿を見たね」「ここまで自分でできるようになったね」と振り返ってみましょう。次に虫を迎える時も、外へ探しに行く時も、その一匹を知った経験が親子の会話になります。
昆虫を飼えなくなったときでよくある質問
旅行の間だけでも、昆虫を人に預けてよいですか?
通常の家庭飼育ができる種類なら、世話できる家族や知人に期間と作業を伝えて頼む方法があります。預け先の環境が合うかを確認し、必要なエサや用品、連絡先も渡します。移動や飼育に規制のある種類は、預ける前に地方環境局等へ確認してください。
子どもが世話をしなくなったら、すぐに譲った方がよいですか?
まず大人が食事や手入れを引き受け、子どもに任せる仕事を一つに減らしてみます。一緒に様子を見る時間で興味が戻ることもあります。家族として飼育を続けるのが難しい場合は、大人が引き継ぎ先を探します。
昆虫館や学校へ持っていけば、引き取ってもらえますか?
受け入れの有無や条件は施設ごとに違います。持ち込む前に種類・匹数・事情を伝え、受け入れられるという返事があってから、引き渡しの方法を相談してください。






