スズムシは、専用飼料と水分、隠れ家、通気できるケースを用意し、少数で飼うと世話をしやすい虫です。秋に成虫が一生を終えても、土に卵を産んでいることがあります。翌年も育てたい家庭は、ケースを片づける前に、卵の冬越しまで確認しましょう。
「リーン」という声を楽しむことと、次の世代を育てることでは、必要な準備が少し変わります。まずは毎日見られる場所にケースを置き、誰が餌と水を確認するか決めておくと安心です。
鳴くのはオスの成虫。メスと幼虫は鳴かない
スズムシの音は、オスの成虫が前の羽をこすり合わせて出します。メスのお尻にある長い管は、卵を産むための「産卵管」です。鳴かないからといって、すぐに具合が悪いとは限りません。
オスの成虫がいる場合も、時間帯や環境の変化によって鳴かないことがあります。日中にケースを揺すったり、何度も隠れ家を外したりせず、落ち着いて過ごせる状態を整えます。声が気になる寝室は避け、夜も通気を保てる置き場所を選んでください。
最初にそろえるものと、その役割
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 用意するもの | 何のために使う? | 親子で確認すること |
|---|---|---|
| 通気でき、フタが閉まるケース | 脱走を防ぎ、外から観察する | 飼う数に対して窮屈でないか |
| スズムシ用の飼育マットなど | 足場、湿り気、産卵場所を作る | 製品の対象と使い方、厚さを確認する |
| 安定した木片や隠れ家 | 日中に隠れ、脱皮の足場にもなる | 倒れたり、虫を押しつぶしたりしないか |
| 浅い餌皿と専用飼料 | 餌を与え、残りを取り除く | 虫が届く高さで、毎日交換できるか |
| 給水用の清潔なスポンジなど | 飲むための水分を補う | 水たまりに落ちずに水分を取れるか |
産卵も観察するなら、土を入れる準備が必要です。例えば甲賀市の飼育案内では、深さ5cm以上の土と隠れ家を使う方法が紹介されています。使用するマットの説明に従い、乾燥させすぎず、水がたまるほどぬらさないようにします。
容器を買う場合は、虫かごの比較で、持ち運び用と家で飼うケースの違いも確認できます。孵化したばかりの幼虫はとても小さく、成虫を飼えた通気口から出てしまうことがあるため、翌春には改めて隙間を点検します。
餌は野菜だけにせず、水分も切らさない
スズムシは雑食で、植物質と動物質のものを食べます。ナスやキュウリだけを置いて終わりにせず、スズムシ用の飼料を使うと、毎日の餌をそろえやすくなります。
乾いた餌は小皿へ。水分は、水を含ませた清潔なスポンジなどで別に用意します。餌皿へ直接霧を吹くと、飼料がぬれて傷みやすくなるので避けてください。水気の多い野菜を与える場合も、食べ残しをそのままにせず、毎日確認します。
少数で飼い始めるなら、35gの専用飼料を候補に
キョーリン「教材スズムシのエサ」は、スズムシが食べやすいフレーク状の飼料です。メーカーは、1日1回小皿に入れて毎日交換し、水分も別に与える使い方を案内しています。
毎回の餌選びに迷わず、食べ残しの量を親子で見比べたい家庭に向く候補です。少数で始めるなら、まず35gの単品から内容量と送料を確認しましょう。餌をたくさん買う前に、開封後の保存方法と使う量も確かめてください。
毎日の餌をそろえて、観察する余裕をつくる
スズムシを初めて飼う家庭は、対象が明記された専用飼料を用意すると、毎日の餌に迷いにくくなります。キョーリンの35g入りはフレーク状。水分補給と餌の交換も続けることを前提に、単品の内容量と送料を比べて選びましょう。

おすすめの理由: 毎日の餌を決めておきたい親子向け。スズムシ・コオロギを対象としたフレーク飼料で、小皿に少量ずつ取り分けられます。
選ぶときに見る所: 35gの単品とセット品を確認。水分は別に与え、餌は毎日交換します。開封後の保存方法・使う量・送料も確かめてください。
楽天は紹介商品のページ、Amazon・Yahoo!は商品名での検索結果です。1袋と複数袋セットを確認し、送料を含む金額で比べてください。原料や与え方はキョーリンの商品情報で確認できます。
毎日は「餌・水・汚れ・フタ」の四つを見る
- 餌:古いものを取り除き、新しいものへ交換する。
- 水:給水用スポンジなどの乾き・汚れを確認し、洗浄や交換をする。
- 汚れ:目立つふんや死んだ個体、傷んだ餌を取り除く。産卵した土を深くかき混ぜない。
- フタ:虫の位置を見てから閉じ、隙間ができていないか確かめる。
子どもが「今日は鳴いた」「餌が少し残った」と伝え、大人が開閉や掃除を受け持つ形でも十分です。餌や隠れ家を増やせば、何匹でも飼えるわけではありません。けんかや傷ついた個体が目立つ場合は、混み具合を見直し、必要に応じてケースを分けます。
土の湿り気と、飲むための水は別に確認します。ケースに結露が多い、カビが出るなどの場合は、水を追加する前に通気と汚れ、ぬらしすぎを見直しましょう。
秋に成虫がいなくなっても、産卵した土は捨てない
スズムシは、自然の季節に沿って飼うと、卵で冬を越します。「鳴かなくなったから、全部片づけよう」と土まで処分すると、翌年の幼虫も失ってしまうかもしれません。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 時期の目安 | ケースの中で考えること | 家庭で行う確認 |
|---|---|---|
| 夏~秋 | 成虫が鳴き、メスが産卵する時期 | 餌・水・汚れと、産卵した年月を記録 |
| 成虫がすべていなくなった後 | 土の中に卵が残っている可能性 | 死んだ個体や餌皿を除き、土を保管 |
| 冬 | 卵の状態で過ごす | 直射日光・暖房を避け、保管方法を保つ |
| 春~初夏 | 暖かくなり幼虫が出てくる | 土の湿り気、幼虫、通気口、餌と水を確認 |
時期は地域や室温で前後します。「必ず6月○日に生まれる」とは考えず、前年の記録と実際のケースを見て判断してください。三晃商会の飼育案内にも、産卵から孵化までの流れが紹介されています。
卵を冬越しさせる手順と、春に忘れたくないこと
秋の片づけは、土を残して表面だけ
成虫がすべて死んだことを確認したら、死骸、食べ残し、餌皿、隠れ家などを取り除きます。卵を探すために土を掘ったり、洗ったりしないでください。ケースには「スズムシの卵・産卵した秋の年月」と書いたラベルを付けます。
甲賀市では、汚れを除いた後、穴をあけたラップで覆って温度変化の少ない場所で保管する方法を紹介しています。これは卵の保管方法です。成虫や幼虫がいるケースを、ラップで密閉しないでください。
冬は、毎日水を足す予定にしない
冬の卵は、餌も飲み水も必要ありません。一方、保管時の土の湿り気は、マット、覆い方、置き場所によって変わります。乾燥気味に管理する方法と、乾燥を抑えて保管する方法があるため、違う方法の散水頻度だけを取り出して混ぜないようにします。
飼育セットや譲り受けた卵なら、まずその管理方法を確認します。毎日の霧吹きを習慣にして水浸しにせず、直射日光や暖房が当たらない場所へ。孵化を早めようと、冬に暖かい部屋へ移し続けることも避けます。
春の予定に「ケースを見る日」を入れる
春になったら保管時の覆いを外し、通気と脱走防止を確認します。土に必要な湿り気を与え、暖かくなるにつれて小さな幼虫が出ていないか、こまめに見ましょう。乾燥しているからと一度に水を流し込まず、霧吹きで少しずつ調整します。
孵化を見逃すと、餌や水分がないまま幼虫が弱ってしまいます。前年の秋にカレンダーへ予定を書いておく工夫が役立ちます。農林水産・食品産業技術振興協会の飼育解説も、初夏の見逃しに注意を促しています。
孵化した幼虫はつままず、移動が必要なら紙や足場に自分で乗るのを待ちます。増えた虫を野外へ放す前提で繁殖を始めず、飼っている虫を放さないための注意も確認しましょう。
よくある質問
スズムシが鳴きません。餌を変えるべきですか?
まず、オスの成虫がいるかを確認します。メスと幼虫は鳴きません。オスがいても、時間帯や環境の変化などで鳴かない場合があります。餌の追加だけで解決しようとせず、落ち着ける置き場所や水分も見直してください。
冬になって全部死んだら、飼育失敗ですか?
スズムシは卵で冬を越す虫なので、秋に成虫が一生を終えること自体は不自然ではありません。産卵している可能性があれば、土を捨てずに卵の保管へ切り替えます。ただし、卵があることや翌春の孵化を保証できるわけではありません。
コオロギと同じケースで飼えますか?
種類の違う虫は分けた方が、餌や動きの違いを確認しやすく、トラブルにも気づきやすくなります。身近なコオロギの基本的な世話は、コオロギの飼い方で紹介しています。






