バッタは、チョウのようなさなぎの時期を経ずに、幼虫が脱皮を重ねて成虫になります。成長すると羽のもとが目立つようになり、最後の脱皮で成虫の姿になります。この成虫になる脱皮を「羽化(うか)」といいます。
飼っているバッタが脱皮を始めたら、体や足場を動かさず、外から見守りましょう。「少し手伝った方がいいかな」と皮や脚を引っ張ると、傷つけてしまうおそれがあります。
幼虫から成虫へ、何が変わる?
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 成長の段階 | 見るところ | 記録するときの注意 |
|---|---|---|
| 小さい幼虫 | 体の形はすでにバッタに似ている | 大きさだけで種類や生まれた日を決めない |
| 成長した幼虫 | 背中の羽のもとが目立ってくる | 同じ個体の写真を比べると変化を追いやすい |
| 最後の脱皮直後 | 体や羽がまだ軟らかく、羽を伸ばす過程がある | 触ったり、ケースを移動したりしない |
| 成虫 | その種類の成虫の羽や体つきになる | 短い羽の成虫もいるので、長さだけで判断しない |
さなぎにならず成虫へ育つ変化を「不完全変態」と呼びます。「完全」という名前と成長の優劣は関係ありません。子どもには、まず「チョウとは大人になり方が違う」と話してみてください。
トノサマバッタの成長例は、教育出版のデジタル図鑑でも確認できます。脱皮の回数は種類などによって違うため、すべてのバッタが同じ回数で成虫になるとは考えません。
羽が短いから幼虫、とは限らない
トノサマバッタのように、成虫になると長い羽が目立つ種類がいます。一方、ヤマトフキバッタなどは、成虫でも羽が短く、飛ぶことができません。TAKAO 599 MUSEUMのヤマトフキバッタ解説でも紹介されている特徴です。
また、バッタは種類やオス・メスによって体の大きさも異なります。大きいバッタの幼虫と、小さい種類の成虫を並べても、成長の順番にはなりません。
まずは、見つけた場所、日付、横から見た体、頭の形などを記録します。種名が分からなければ、虫の名前を調べる手順で候補を絞り、その種類の幼虫と成虫を比べましょう。
脱皮を見つけたら、触らず足場ごと見守る
脱皮中は、古い体の表面から脚や体を抜き出します。抜けた直後も、新しい体が固まるまで静かにしていることがあります。動きが止まったからといって、すぐに失敗とは限りません。
- ケースを揺らしたり、日なたへ運んだりしない。
- つかまっている草や枝を、掃除や撮影のために外さない。
- 体、脚、古い皮をピンセットで引っ張らない。
- 水をかけて皮をはがそうとしない。
- 近くで何度もフラッシュを使ったり、触って反応を確かめたりしない。
飼育を始めるときは、種類に合う餌に加え、つかまれる足場と、体を伸ばせる空間も用意します。足場を入れすぎて内部が狭くならないようにしてください。ケース選びは用途別の虫かごガイドが参考になります。
脱皮にかかる時間や、体の色が落ち着くまでの時間は一定ではありません。東京動物園協会のアカアシホソバッタの観察記録では、羽化後に羽を伸ばし、時間をかけて色が変わる様子が報告されています。そこでの時間を、家の別のバッタの成功・失敗の期限にはしないでください。
明らかな異変が続いて心配な場合は、種類、見始めた時刻、ケースの様子、写真をそろえて、購入先などへ相談します。写真だけでは、脱皮が止まった原因や回復できるかを確定できません。
写真と時刻を並べると、見逃した変化も分かる
自由研究にするなら、「何回脱皮したか」だけでなく、見た時刻と、そのときの姿を残してみましょう。ずっと見張る必要はありません。見ていなかった時間は、正直に空白にします。
次の表は実測ではなく、書き方の例です。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 見た時刻 | 見えたことの例 | まだ分からないこと |
|---|---|---|
| 17:00 | 草につかまり、背中付近の皮が割れていた | 脱皮が何時に始まったか |
| 17:20 | 体が古い皮から出ていた | 見ていない間に脚をどう抜いたか |
| 翌朝 | 別の草へ移動していた | 何時から歩けるようになったか |
この例の20分を、脱皮の所要時間と読み替えないようにしましょう。「17時から見た」ことと「17時に始まった」ことは違います。
同じ個体を、なるべく同じ向きから撮る
横からの写真は、羽の付近や体の輪郭を比べやすくなります。虫を向かせ直さず、自分が無理なく撮れる位置から記録してください。複数を飼っていて区別できない場合は、「同じ個体か不明」と添えます。
写真を見比べるときは、色だけでなく、羽のもとの形や体の比率にも注目します。照明が変わると写真の色も違って見えるため、色の違いだけで体が変化したと決めないことも大切です。虫の写真の撮り方と観察ノートの項目も使えます。
写真とスケッチを大きく並べたい子には、A4方眼ノート
家で写真、時刻、スケッチを同じ見開きにまとめたいなら、A4の方眼ノートが候補になります。「コクヨ キャンパス ノ-201S5」は、A4・5mm方眼・40枚の一冊です。表の線をそろえたり、絵の横へ気づきを書いたりできます。
すでに使いやすいノートがあれば、そのまま続けて構いません。新しく買うなら、自由に配置したい子に向くかを確認してください。観察用の記入欄は付いておらず、A4なので散歩中に片手で書く用途より、家の机で広げる使い方に向きます。
脱皮の前後を、同じ見開きで見比べる
写真と時刻、羽のスケッチを大きく並べたい子には、A4の方眼ノートが候補です。コクヨのノ-201S5は5mm方眼・40枚。観察欄のない自由な紙面なので、家でまとめる使い方に合うかを確かめて選んでください。
おすすめの理由: 絵や写真を大きく置き、気づいたことや日付ごとの表を並べたい子に。A4・5mm方眼・40枚の一冊です。
選ぶときに見る所: 縦297×横210mm。家の机で広げて使うのに向きます。観察用の記入欄はないので、書きたい項目を自由に並べられます。
楽天は紹介商品のページ、Amazon・Yahoo!は型番による検索結果です。ノ-201S5、A4、1冊かセットか、送料を確認してください。製品はコクヨの方眼ノートの仕様をもとに紹介しています。
観察をまとめる段階で、回数や日付を比べたくなったら、自由研究のグラフの作り方へ。時間や回数にしていない気づきは、無理にグラフにせず、写真と短い説明で残せます。
よくある質問
バッタは成虫になってからも脱皮しますか?
バッタは最後の脱皮で成虫になり、その後は脱皮しません。成虫の羽や脚が傷んでも、次の脱皮で元に戻るとは考えず、触ったりぶつけたりしないようにします。
羽が短いバッタは、飼えば飛べるようになりますか?
幼虫なら成長に伴って羽が発達する種類もいますが、ヤマトフキバッタのように、成虫でも羽が短く飛べない種類もいます。まず種類を調べ、飛べるか試すために投げたり高い所へ置いたりしないでください。
抜け殻が見つからなくても、脱皮していることはありますか?
あります。脱皮後に古い皮を食べることもあり、見逃している可能性もあります。抜け殻だけを手がかりにせず、日付ごとの写真や羽の付近の変化も比べましょう。






