小学5・6年生の昆虫自由研究は、「何を知りたいか」を一つに絞り、同じ数え方で何度か比べると進めやすくなります。珍しい虫や高価な道具がなくても、身近な花壇や公園で見つけた疑問から始められます。
例えば「チョウの研究」を、「同じ花壇に来るチョウは、朝と昼前で訪問回数が違うのか」に変えてみます。何を見るか、いつ行くか、何を記録するかが具体的になります。
この記事では、飼育を始めなくても取り組めるテーマと、比較観察の進め方を紹介します。学校から用紙や提出方法の指定があれば、最初に確認してください。
高学年向けのテーマは、比べたいものから選ぶ
最初から難しい実験にする必要はありません。「毎回同じなのかな」と思ったことを、繰り返し見られる場所で調べます。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| テーマの例 | 比べるもの | 記録するもの | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| 花壇に来るチョウは、時刻で違う? | 同じ花壇の二つの時間帯 | 決めた時間内の訪問回数、花と天気の状態 | 訪問回数と、別々の個体数を混同しない |
| セミの抜け殻は、どんな場所にある? | 安全に見られる木の幹・枝・葉など | 決めた範囲の抜け殻と付いている場所 | 高所へ登らず、数えた範囲も残す |
| 同じ植物の葉の食べ跡は、日ごとに変わる? | 同じ葉の数日間の変化 | 同じ向きの写真、食べ跡、見えた虫 | 穴だけで食べた虫を断定しない |
花が咲いていない時期には、花への訪問調査は向きません。何度も通える場所があるか、今の季節に対象が見られるかで選びます。年間の見通しは虫の観察カレンダーで確認できます。
名前が分からない虫は「白いチョウ・種類未確認」など、分かった範囲で記録し、写真と特徴から調べる手順で確認します。
具体例:花壇への訪問回数を、二つの時間帯で比べる
ここからは、研究計画の作り方の例です。実際に調査した結果ではありません。身近な場所と季節に合わせて調整してください。
問い:同じ花壇で、朝と昼前ではチョウの訪問回数が違うのか。
まず予想と、その理由を自分の言葉で書きます。「昼前の方が多そう。前に散歩したときに見かけたから」でも構いません。あとで結果が違っても、予想を消して書き換えず、調べる前の考えとして残します。
次に、何を一回と数えるかを決めます。この例では「決めた範囲の花にチョウが降りたら一回。範囲を離れて戻ったら、もう一回」とします。花から花へ移るだけの場合は続けて一回とするなど、迷う場面も先に決めておきます。
これは、花への延べ訪問回数です。 同じチョウが何度も来ることがあるため、「チョウが全部で何匹住んでいたか」は分かりません。
変えるもの・そろえるもの・残すものを分ける
時間帯を比べたいのに、朝は5分、昼前は20分見ると、訪問回数をそのまま比べられません。比較する条件を書き出しておきます。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 分け方 | この観察例で決めること |
|---|---|
| 比べるもの | 朝と昼前の二つの時間帯 |
| そろえるもの | 花壇の範囲、一回の観察時間、立つ位置、訪問の数え方 |
| そのつど記録するもの | 日付、実際の開始・終了時刻、天気、風、咲いている花の状態 |
| 途中で変わったら書くもの | 水やり、草刈り、強い風、途中の中断など |
例えば、一回5分を二つの時間帯で、3日行う計画なら、観察そのものは計30分です。移動、下見、記録の整理は別に時間を取ります。この回数で必ず結論が出るわけではなく、家庭で始めるための計画例です。
屋外では、時刻が変わると気温や日差しも変わります。すべての条件を一定にはできないので、「時刻だけが原因」とは決められません。違っていた条件も書くことが、考察の材料になります。
暑さが強い日、雷が近い日、無理なく見られる場所がない場合は延期します。予定を守るために危険な場所へ行ったり、立入禁止の花壇へ入ったりしないでください。チョウを観察するときの配慮も確認できます。
まず一回試して、記録欄を直す
本格的に数え始める前に、短い予備観察をします。「虫が小さくて見分けられない」「観察範囲が広すぎる」と気づいたら、範囲や数え方を調整します。
本番の途中で方法を変えた場合は、変更前後を分けて記録しましょう。同じ条件で集めた結果のように混ぜないことが大切です。
記録欄は、次の形から作れます。数字は実際に見たものを記入します。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 日付・時間帯 | 開始〜終了 | 訪問回数 | 天気・風・花の状態 | 気づき・中断 |
|---|---|---|---|---|
| 1日目・朝 | 記入する | 見た回数 | 記入する | 記入する |
| 1日目・昼前 | 記入する | 見た回数 | 記入する | 記入する |
最後まで観察して一度も来なかったら「0回」です。観察しなかった日や途中で中止した回は、「未実施」「中断」と書き、0回と区別します。
表と写真を一緒に残すなら、A4方眼ノートが使いやすい
条件の欄、結果の表、写真を一冊にまとめたい場合は、広く使える方眼ノートが候補です。家にあるノートや学校指定の用紙で足りるなら、買い足さずに始められます。
新しく用意するなら、コクヨ「キャンパス ノ-201S5」はA4・5mm方眼・40枚です。メーカー仕様の寸法は297×210mm。見開きの左に観察条件、右に結果や写真という使い方を考えられます。
決まった観察欄が印刷された教材ではないので、自分の研究に合わせて表を作りたい子に向いています。一方、屋外で立ったまま書くには大きいため、外では小さなメモに残し、家で整理する方法もあります。元のメモも捨てずに保管してください。
「日付ごとの数字が別々の紙に散らばりそう」というときは、研究用の一冊を決めておくと、後から条件と結果を照合しやすくなります。 学校の指定を確認できたら、型番ノ-201S5・A4・5mm方眼・1冊の表示を見て選べます。
条件と結果を、見開きで比べられるノートに
日付ごとの表と写真を同じ見開きにまとめたいなら、コクヨ「キャンパス ノ-201S5」が候補です。A4・5mm方眼・40枚なので、観察条件の欄や結果の表を自分で作れます。記入済みの研究シートは付かないため、学校の指定がある場合はそちらを優先してください。楽天は商品ページ、Amazon・Yahoo!は検索結果で型番と1冊の販売単位を確認できます。
おすすめの理由: 絵や写真を大きく置き、気づいたことや日付ごとの表を並べたい子に。A4・5mm方眼・40枚の一冊です。
選ぶときに見る所: 縦297×横210mm。家の机で広げて使うのに向きます。観察用の記入欄はないので、書きたい項目を自由に並べられます。
まとめでは、結果と考察を分ける
結果には、見たこと、数えたことを書きます。考察には、その結果から考えたことと、まだ確かめられていないことを書きます。
次は、書き分けを示す架空の結果を使った例です。自分の研究へ数字や結論を写すためのものではありません。
- 結果の例:「3日間とも、昼前の訪問回数が朝より多かった」
- 考察の例:「この花壇で調べた3日間は、昼前に多く訪れていた。ただし朝と昼前で日差しも変わったため、時刻だけの影響とは言えない」
- 次の課題の例:「曇りの日にも同じ方法で観察したい」
差がなかったら、「今回の範囲では違いを見つけられなかった」と書けます。予想と違う結果や、虫が来なかった回を消す必要はありません。観察した日数、場所、条件の範囲を添えましょう。
自然科学観察コンクールの自由研究攻略マニュアルにも、目的・方法・結果・考察・改善点を整理する考え方が紹介されています。研究を説明する順番に迷ったときの資料になります。
保護者は、答えより「確かめ方」を一緒に考える
大人が担当すると助かるのは、場所の利用確認、安全の判断、移動、写真やメモの保管です。問い、予想、気づき、考察は、子どもの言葉を残します。
「その結論は間違い」から始めるより、「どの記録を見ると、そう考えられる?」「別の日も同じかな?」と聞くと、本人が記録へ戻れます。文章を整える場合も、子どもが説明できる内容かを一緒に確かめます。
書き始めに迷ったら、観察ノートの項目から、日付・場所・見たことを埋めていきましょう。
よくある質問
高学年の自由研究は、実験をしないといけませんか?
学校の指定がなければ、比較観察も選択肢です。何を知りたいか、どう観察したか、結果から何が言えるかを説明できる研究にします。
一日だけでも、この比較研究はできますか?
一日の二つの時間帯を比べることはできますが、分かるのはその日の条件での結果です。繰り返せない場合は範囲を明記し、複数日の傾向を調べたようには書きません。
虫を見つけられず、結果が全部0回でした。
観察した条件と0回だったことを残します。花の状態や季節、場所、時間帯を見直し、次に変えたい点を考えられます。見なかった回を埋めたり、数字を作ったりしないでください。






