バッタとキリギリスの仲間を見比べるときは、頭から伸びる触角に注目します。バッタの仲間は体より短く、キリギリスの仲間は細く、体より長いのが目安です。 ただし、触角が長い仲間にはコオロギもいます。触角だけで、細かな種類まで決まるわけではありません。
草に止まった緑の虫を見て、「これもバッタ?」と迷うことがあります。色も形も似ているときは、顔の先から伸びる二本を目で追ってみましょう。思ったよりずっと先まで続いているかもしれません。
触角の長さを、体と比べてみよう
触角だけを見て「長い」と感じるかどうかではなく、頭からおなかの先までの体と見比べます。頭の前に短く出ているのか、体よりも長く伸びているのか。この違いが、仲間を分けて考える入口になります。
浜松科学館のバッタとキリギリスの解説では、園内で見つけた虫を、体に対する触角の長さで見比べています。ショウリョウバッタなどは短い側、クビキリギスやササキリの仲間は長い側です。
キリギリスの仲間の触角は細いので、草の線と重なって見失うこともあります。先がどこにあるのか、虫が止まっている間にゆっくり目でたどってみてください。長さを確かめようとして、触角をつまんだり伸ばしたりする必要はありません。
「顔の前だけ見ていたけど、こっちまで続いていたね」。そんな発見があれば、名前がまだ分からなくても、見るところが一つ増えたことになります。
触角が長くても、全部がキリギリスではない
ここでいう「バッタの仲間」「キリギリスの仲間」は、大まかな分け方です。触角が長いというだけで、その虫の名前を「キリギリス」と決めることはできません。
日本自然保護協会の「自然しらべ2006」資料では、触角が長い側を「コオロギ、キリギリスの仲間」とまとめています。短い側のバッタにも、オンブバッタやショウリョウバッタなど、いろいろな種類があります。
まず触角で候補を絞り、名前を知りたくなったら、図鑑で頭や体の形も比べましょう。頭がとがっているか、丸みがあるか。体は細長いか、がっしりしているか。一つの目印で終わらず、写真全体を見渡すと、似ているところと違うところが探しやすくなります。
鳴く虫にも興味がわいたら、コオロギとスズムシが鳴くしくみへ。体を見比べる観察とは別に、音を聞く楽しみもあります。
緑色か茶色かだけでは分けられない
「緑はキリギリス、茶色はバッタ」とは分けられません。同じ種類でも、緑色の個体と茶色の個体がいます。色が違う二匹を見つけても、すぐに別の種類と決めず、触角や体の形も見てみましょう。
ズーラシアの昆虫教室では、緑色と茶色のオンブバッタを写真で紹介しています。色の違いは、それだけでオスとメスを区別する目印にもなりません。
図鑑の写真が茶色で、目の前の虫が緑色でも、色だけを理由に候補から外さなくて大丈夫です。「色は違うけれど、頭の形は似ているね」と、別の部分へ目を移してみてください。
写真では、触角の先が写っているか確かめよう
写真の端で触角が切れていたら、その一枚から「触角が短い」とは言えません。体の前に短い線が見えていても、続きが背景に紛れている場合があります。
表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。
| 写真で気になること | 見直すところ |
|---|---|
| 触角が短く見える | 先端まで写っているか、画面の端で切れていないか |
| 触角が一本しか見えない | もう一本が体や草と重なっていないか |
| 虫が正面を向いている | 体と触角の長さを比べられる横向きの写真があるか |
撮るなら、顔だけに近づきすぎず、体と触角の先まで入れてみましょう。横から見える位置へ少し動くと、比べやすくなることがあります。草の中へ無理に踏み込んだり、虫の向きを手で変えたりせず、道から見える範囲で十分です。
触角が途中で折れていたり、先がどうしても見えなかったりするときは、その長さだけで判断しないでおきます。「この写真ではまだ分からない」と残して、別の写真や図鑑の説明を探せばよいのです。
次に見つけた一匹で、顔の先を見てみよう
見分けるために、必ず捕まえたり持ち帰ったりする必要はありません。草に止まった一匹を、親子で同じ場所から眺めるだけでも、触角の違いは探せます。
触角を見つけたら、今度は目を少し離して体全体へ。「体より長いかな、短いかな」と見比べてみてください。跳んで見えなくなったら、その日は見えたところまで。また出会ったときに、続きを見てみましょう。
捕まえて観察したい場合の道具や動き方は、バッタの捕まえ方で紹介しています。ここで覚えた顔の先の目印が、一匹をじっくり見るきっかけになれば十分です。
よくある質問
バッタとキリギリスは、最初にどこを見ればよいですか?
頭から伸びる触角を、体の長さと比べます。バッタの仲間は体より短く、キリギリスの仲間は細く体より長いのが目安です。触角だけで細かな種類まで決めず、頭や体の形も図鑑と見比べましょう。
触角が長ければ、必ずキリギリスですか?
いいえ。コオロギの仲間も触角が長いため、長さだけでキリギリスとは断定できません。まず仲間を見当づける目印として使い、その後で体全体の特徴を比べます。
緑色と茶色では、種類や性別が違うのですか?
色だけでは決められません。同じ種類に緑色と茶色の個体がいることがあり、色の違いだけでオスとメスを区別することもできません。触角や頭、体の形も合わせて見てください。






