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虫を知る

昆虫の足は何本?6本のつき方とクモ・ダンゴムシとの違い

木陰のテーブルで昆虫図鑑を開き、バッタの脚を指して母親と見比べる子ども

昆虫の成虫の足は、胸に左右3本ずつ、計6本が基本です。クモやダンゴムシとの違い、4本に見えるチョウ、足が多いイモムシを比べながら、数だけでなく生えている場所を見るコツを紹介します。親子で写真を眺めるときにも使えます。

昆虫の成虫は、胸に左右3本ずつ、合わせて6本の足があるのが基本です。 頭・胸・腹の3つに分かれた体のうち、足が生えるのは胸。ただし、足が隠れていたり短くなっていたりすると、6本に見えないこともあります。

「このチョウ、4本しかないよ」「イモムシはもっとある」。そんな発見は、数え間違いとは限りません。本数の次に、足が体のどこから出ているかを見ると、違いが分かってきます。

6本の足は、胸に2本ずつついている

昆虫を上から見た模式図。胸の3つの節から左右1本ずつ足が出る。後ろ脚も腹ではなく胸に、触角は頭につながる。
胸の3つの節に、足が1対ずつ。足先よりも付け根をたどると、6本のつながりが見えてきます。 図を選ぶと拡大できます。

昆虫の胸は、前から3つの節に分かれています。それぞれの節に左右1本ずつ足がつくので、2本・2本・2本で計6本になります。左右の2本を一組として数える言い方が「1対」です。

頭の後ろにある胸から、前脚・中脚・後ろ脚が出ています。後ろ脚という名前でも、腹から生えているわけではありません。北海道教育大学の教材「理科へのとびら」にも、胸の3つの節と足の位置が図示されています。

バッタの大きな後ろ脚を見たら、先から付け根まで目でたどってみてください。目立つ脚だけに注目していたときより、体のつながりが見えてきます。頭から伸びる触角は足に数えません。迷ったら、長さよりも付け根の位置を見るのが手がかりです。

クモやダンゴムシも「虫」だけれど、昆虫ではない

上から見た基本形の比較。昆虫の成虫は胸に6本、クモは頭胸部に8本、成長したダンゴムシは左右に14本の足が並ぶ。
いずれも基本形を簡略化した図です。実物の大きさの比や、足が隠れたり欠けたりした状態は表していません。 図を選ぶと拡大できます。

ふだんの会話では、クモもダンゴムシも「虫」と呼びます。「虫」は身近な小さな生き物を広く呼ぶ言葉。「昆虫」は、その中でも体のつくりなどで分けた仲間を指します。

表は横にスクロールできます。キーボードでは表を選んで左右キーで移動できます。

比べる生き物足と体の見どころ昆虫かどうか
バッタなどの昆虫の成虫胸から左右3本ずつ。体は頭・胸・腹に分かれる昆虫
クモ歩く足は左右4本ずつ、計8本。体は頭胸部と腹部に分かれる昆虫ではない
成長したダンゴムシ体の左右に7本ずつ、計14本の足が並ぶ昆虫ではなく、甲殻類の仲間

クモの頭と胸がまとまった部分は「頭胸部」と呼びます。飯能市立博物館のクモの紹介では、昆虫との体の分かれ方と足の本数を比較できます。

ダンゴムシの足は小さく、動いていると一本ずつ追うのが難しいこともあります。14本と覚えて終わるより、ダンゴムシの観察記事のように、歩き出したときに左右の脚が動く様子を見ても楽しめます。ここで挙げた数は成長した個体の基本形です。足が欠けていたり写真の向こう側に隠れていたりすれば、見える数は変わります。

4本に見えるチョウもいる

キタテハなどタテハチョウの仲間は、前脚2本が短くなっています。花や葉につかまる姿を横から見ると、目立つ4本だけで立っているように見えます。

日光自然博物館のキタテハの写真でも、この特徴が紹介されています。「昆虫なら写真に6本写るはず」と考えると、ここで迷ってしまいます。体のつくりと、その瞬間に見える姿は、いつも同じではありません。

足が4本に見えても、それだけでクモだと決めることはできません。チョウの仲間かどうかは羽や触角なども合わせて見ます。花に来たチョウなら、捕まえて脚を広げようとせず、止まった姿を少し離れて眺められます。チョウの羽・口・花を見比べる観察も、次に見る場所のヒントになります。

イモムシは、胸の足と腹の突起を使って歩く

カイコの横からの模式図。頭の後ろの3対の胸脚を橙色、腹脚と末端の尾脚を緑色で示す。手前側だけを描き、反対側の脚は省略。
頭の後ろにある胸脚と、腹の部分にある腹脚。図はカイコの例で、腹脚の数や形は幼虫の仲間によって異なります。 図を選ぶと拡大できます。

チョウやガの幼虫には、胸の6本の足のほかに、腹側にも足のような突起があります。これが「腹脚」です。体の後ろの端にあるものを「尾脚」と呼ぶこともあります。

胸の足と腹脚は、同じものをたくさん並べた形ではありません。カイコのような幼虫を写真で見ると、頭のすぐ後ろには小さな胸脚があり、その後方には葉や枝をつかむ腹脚が並んでいます。東京農工大学のカイコの形態資料で、それぞれの位置を確かめられます。

腹脚の数や形は幼虫の仲間によって違います。「幼虫なら全部で何本」と一つの数にそろえず、まずは胸の足と腹側の突起を分けて見てみます。チョウの姿を知っている子なら、「チョウになる前は、こんな足も使っているんだね」と話せます。

知らない幼虫や毛虫を手に載せて確かめる必要はありません。図鑑や写真なら、気になったところを親子で指しながらゆっくり比べられます。

親子で数えるなら、付け根が見える一枚から

実物が動き続けて数えられないときは、図鑑の大きな写真や、自分で撮った写真を見てみます。最初から全部の足を見つけようとせず、はっきり見える一本の付け根を探すところから始められます。

たとえば、バッタの写真なら「この長い脚はどこにつながっている?」。付け根が見つかったら、同じ側にあと何本見えるかを一緒にたどります。反対側の脚が写っていなければ、その写真では見えない、と分けておきます。見えないものを無理に数へ入れなくてかまいません。

図鑑を選ぶときは、名前を調べるページに加え、体のつくりを大きく載せたページも開いてみてください。昆虫図鑑の比較では、親子で持ち歩くときの使い方を紹介しています。

次に虫を見つけたら、数だけでなく「足が出ている場所」にも目を向けてみましょう。6本を確かめるつもりで見ていた一匹から、脚の長さや動かし方の違いまで気になってくるかもしれません。

昆虫の足でよくある質問

カマキリのカマも足に数えますか?

はい。カマキリのカマは、ものを捕らえる形に発達した前脚です。左右のカマ2本と残りの4本を合わせて、胸から出る足は計6本が基本です。

写真に6本写っていれば昆虫と決めてよいですか?

本数は大事な手がかりですが、それだけでは決めません。脚の一部が隠れていないか、触角など別の部分を数えていないかも確認します。体の分かれ方や付け根が見えない写真では、名前を決めず、別の角度の写真や図鑑と比べます。

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